投稿

所有者不明の土地の問題点 2018年4月号

2018.10.12

所有者不明の土地とは、利用価値や資産価値がないことにより、

相続未登記になること、あるいは相続放棄などが行われることにより、

持ち主がわからなくなった土地のことをいいます。

 

経済成長期やバブル期は「土地は保有していれば価値があがる」という

土地神話がありました。

しかし、経済が低迷し、少子高齢化と地方の過疎化が進むにつれて、
地価が下落、土地そのものは「資産」から「負債」に転落しました。

 

首都圏で暮らす子供が過疎地の親の農地を相続しても固定資産税や

管理の手間といったコストがかかり、かえって負担になります。
そのため相続放棄、あるいは相続しても登記しないという現象が

おきているのです。

日本全国で所有者が不明となっている土地がなんと410万ヘクタール! 
九州全体の土地面積を上回るので驚きです。

 

問題1 災害の拡大及び復旧の妨げ          
所有者不明の土地には、所有者不明の家屋が建っていることが多いです、

そして時間が経てば劣化していきます。

結果 大雪や台風・地震などの災害が発生した場合、倒壊して危険を及ぼ

す可能性が高くなります。この場合、自治体が地元住民の声に対し撤去

などを行うことができるのだが、それは「空家等対策の推進に関する特

別措置法」に基づきます。面積で見れば所有者不明の土地は日本全土の

一部にすぎませんが、その一部のために人命が危険にさらされ血税が投

入される経済全体にとってもマイナスです。

      
問題2 地面師の暗躍            
土地を捨てた所有者自身が被害を受けるという問題。
地面師とは他人の土地の所有者になりすまし、勝手に売買を行う詐欺師

をいう。

 

対象物件となりやすいのが、「売却してもバレにくい」土地。言い換え

るとまさに所有者不明の土地です。            
つまり所有者が自分の名義となっている土地に住んでいなかったり、関心

がなかったりする土地が候補に挙がります。
所有者自身が土地に関心がないと登記状況がほぼ確認されません。

 

そのため勝手に売却されても所有者は気づかない。
そして後に売却を検討した時や相続が発生した時に、別名義になっている

ことで慌てふためくことに。
所有者自身の無関心が犯罪を招き、被害を被ることになります。