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不動産広告の見方(基本編)

2011.11.16

不動産広告には、個々の物件について多くの情報が記載されていますので、広告の情報を正しく理解することが、物件検討の入り口となります。

そこで、ここでは広告の見方を解説していきます。

 

ポイント1 物件探しは幅広く情報を集めることから 物件を探すには、まずは、インターネットや情報誌、新聞の折り込み広告などで、希望条件に合いそうな物件情報を、幅広く収集することから始めます。 そこで、これらに掲載されている内容を正しく理解するために、広告の見方を理解しておくことが大切になります。

 

ポイント2 これだけは知っておきたい不動産広告の規約 不動産広告には、消費者保護を目的として、その表示方法などに関していくつかの規制があります。 ひとつは、宅地建物取引業法による規制で、誇大広告の禁止や広告の開始時期の制限などが定められています。

また、公正取引委員会の認定を受けた業界の自主規制である「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下「表示規約」)では、広告の表示の仕方や基準などが定められています。

  

Ⅰ 不動産広告の基本的な規約

表示規約では、不動産広告に表示しなければならない事項や表示する際の基準が定められています。

以下基本的な規約について見て行きましょう。

 

1.新築・中古の別 不動産広告では建築後、1年未満かつ未入居(誰も住んだことのない状態)を「新築」と表示します。 それ以外の物件は「中古」と表示されます。

 

2.現地写真 原則として、実際に販売するものでなければ広告に掲載してはならないことになっています。 ただし、建物が建築工事の完了前などの場合は、実際に販売する建物と同じものであれば、他の物件の写真をその旨を明らかにして使用できることになっています。 また、周辺の施設を紹介する場合は、販売する物件との距離を明示する必要があります。

 

3.価格 建物にかかる消費税込みの価格が表示されます。

 

4.駅等までの距離 徒歩による所要時間は駅からの道路距離80mを1分(端数切り上げ)として計算されます。 信号の待ち時間や歩道橋の上り下り、坂道、道路の横断などにかかる時間は考慮されていません。 また、改札口からではなく、物件に一番近い駅の出入り口が基準になるため、ホームまではもっと時間がかかることもあります。

 

5.敷地面積 ㎡単価で表示されますので「坪」単位での表示がない場合もあります。

 

6.建物面積 ㎡単位で延べ床面積が表示されます。 地下室や車庫を含む場合は、その旨とその面積を表示することになっています。 マンションのバルコニーや室内の天井を高くして2層式にした屋根裏収納(グルニエ)などは、面積には入りません。 建物面積は原則として、壁の中心から測った壁芯面積で表示されますが、登記記録(登記簿)上の面積は壁の内側(室内側)から測った内法(うちのり)面積で表示されます。 ただし、中古マンションでは、登記記録(登記簿)の内法面積が表示されることがあります。

 

7.間取り 間取りを表す場合、4LDKなどの表示がよく使われます。 数字は居室の数を表し、Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表します。 建築基準法では、居室には採光や換気のための一定の間口が必要と定められていますので、それを満たさない部屋は納戸(N)やサービスルーム(S)と表示されます。 また居室の広さを示す1畳は、新築住宅では1.62㎡以上で換算すると表示規約で定めています。 ただし、中古住宅で1畳が1.62㎡未満のものについては、その旨、及び畳1枚当たりの広さを明示することでもよいとされます。

 

8.所在地(地番) 物件の所在地は、新築分譲住宅の場合は地番まで表示されます。 中古住宅の場合は、地番は省略できるため記載しないことも多いようです。 また、地番は登記記録(登記簿)に表示された地番のことで、一般的に使われる住宅表示の番号とは異なる場合があります。

 

9.取引態様 広告を掲載している不動産会社の立場が「売主」か「代理」か「媒介(仲介)」かが必ず明示されます。 この取引態様によって、仲介手数料が必要であるかが決まります。 また、媒介には一般媒介、専任媒介などがありますが、専任媒介の場合は、媒介(専任)のような表示が認められています。

 

10.免許番号 不動産会社名と免許番号が記載されますので、不動産取引に必要な免許を受けているかどうかの確認をしましょう。 (  )内の数字は免許の更新回数で数字が多い程、営業年数が長いことを示します。

 

 

Ⅱ明示しなければならない主な特定事項

 

土地の利用に法律上の規制を受けたり、形状が不整形などで有効な利用ができない場合は、その旨が広告で明示されます。
不動産広告で、明示しなければならない主な特定事項は以下の通りです。

 

1.市街化調整区域内の土地

 

都市計画で市街化調整区域を定められた区域内では、原則として土地の造成や建物の建築はできませんのでその旨を明示することになっています。

 

2.道路に適法に接していない土地

 

建築基準法に規定する道路に2m以上接していない土地などには建物の建築ができません。
このような土地については「建築不可」と中古住宅の場合は「再建築不可」と表示されます。

 

3.セットバックを要する土地(道路後退)

 

セットバックとは、土地に接する道路の幅員が4mに満たない時に、道路の中心から2m後退して
建物を建築することをいいます。
後退した部分は道路と見なされ、建物を建築することはできません。
セットバックを要する土地については、その旨が表示されます。
またセットバックを要する部分の面積がおおむね10%以上である場合はその面積も表示されます。

 

4.古家等がある土地

 

取引の対象となっている土地の上に古家、廃屋等が存在するときは「古家あり」「廃屋あり」等と表示されます。

 

5.高圧線下にある土地

 

土地の全部または一部が高圧線下にあるときは、その旨とおおむねの面積を表示しなければなりません。
また建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、「高圧線下につき建物等の建築不可」等と表示されます。

 

6.傾斜地を含む土地・著しい不整形地

 

7.擁壁に覆われないがけ上、がけ下の土地

 

8.建築条件付き土地

 

建築条件付き土地とは、契約後一定期間内に土地の売主、あるいは売主が指定する建築会社との間で、建物の建築請負契約を締結することを条件として売買される土地のことです。
建築条件の内容や建築請負契約が締結されなかったときの措置の内容が明示されることとなっています。

 

                 不動産ジャパンホームページより転載 H23.11.16