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都市近郊の庭付き戸建住宅の所有者間で、飼い犬の鳴き声について 2017年5月号

2017.05.21

■不法行為の賠償請求が提訴され、一部認容の判決■

いま日本でペットがどれだけ飼われているかご存じですか?

 

犬と猫だけの数字ではありますが、犬が1034万6000頭で猫が995万9000頭という
調査結果(※1)が発表されています。ちなみに日本の総人口は1億2691万人
(※2)です。

 

ひとりで複数頭を飼われる人もいますので、正確な計算にはなりませんが、約
16%の人が犬か猫を飼っているそうです。

 

その一方で、1633万人(※3)というこんな数字もあります。
これは日本の15歳未満の子どもの数です。
いまの日本では、子どものいる家庭よりも、ペットを飼育する家庭のほうが多い
のです。

 

川口市だけでも2万4941件(※4)の犬の登録がされています。
市内でもペット飼育可やペットとの共存をコンセプトとした物件を見かけるよう
になりました。

しかし、物件数としてはまだまだ少なく、これは大きなビジネスチャンスの一つ
ではありますが、それに伴う近隣住民への対応も考慮しないといけません。

 

共同住宅に限らず、戸建であっても近隣とのトラブルとなった事案があります。
ペット飼育可物件は比較的賃料も高額に設定できたり、礼金を設定していたり、
集客効果が高かったりとメリットも多いです。しかし、退去時の原状回復義務
の点だけでなく、鳴き声等躾に関してもペット規約等を予め取決めておく必要
があります。

 

規約では、ペットの種類(犬・猫等)の限定、大きさ・頭数の上限は明確に
しておきましょう。また狂犬病やフェラリア等の予防接種をした証明書の提出、
入居時に写真の添付が規約に入っている場合もあります。


最近ではペットの飼育方法や躾をレクチャーしてくれる場も増えてきています
ので、注意喚起をしても改善できない場合は、そのような指導を受けてもらう
ように条文に記載するのも良いかと思います。

 

ペット社会となった現代で犬の鳴き声のトラブル事例を次回紹介します。

 

※1 2014年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人 ペットフード協会調べ)

※2 人口推計(平成26年(2014年)10月確定値,平成27年3月概算値 平成27年3月
   20日総務省統計局公表)

※3 「国勢調査」による人口及び「人口推計」による人口より
  (2014年4月1日現在)

※4 『保健所年報 平成23年度版』(埼玉県川口保健所 2011)