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媒介契約を結ぶ際の注意点③

2015.07.03

 (9)依頼者の義務を確認しましょう


  標準約款では、依頼者と不動産会社が互いに誠実に取引を進めていくために、依頼者の義務についても定められています。

  依頼者に以下の義務違反があった場合は、不動産会社は媒介契約に基づいて、仲介手数料相当額を上限として、費用等を依頼者に請求することができます。

 ●専属専任媒介契約を締結した場合の義務


  専属専任媒介契約を締結した場合は、媒介契約の有効期間中に他の不動産会社に重ねて仲介を依頼することはできません。
  また、その不動産会社を通さずに、自分で見つけてきた相手方と契約することもできません。

 

 ●専任媒介契約を締結した場合の義務


  専任媒介契約を締結した場合は、媒介契約の有効期間中に他の不動産会社に重ねて仲介を依頼することはできません。
  その不動産会社を通さずに自分で見つけてきた相手方と契約することは可能ですが、この場合は、売買契約を締結した事実を知らずに不動産会社が仲介業務を継続してしまうことを避けるため、
  その旨を不動産会社に通知しなければいけません。

 

 ●一般媒介契約(明示型)を締結した場合の義務


  媒介契約の有効期間中に他の不動産会社に重ねて仲介を依頼した場合は、その旨を不動産会社に通知する義務があります。
  また、売買契約が成立した場合は、売買契約を締結した事実を知らずに他の不動産会社が仲介業務を継続してしまうことを避けるため、その旨を依頼したすべての不動産会社に通知しなければいけません。

 ●一般媒介契約(非明示型)を締結した場合の義務


  売買契約が成立した場合は、売買契約を締結した事実を知らずに他の不動産会社が仲介業務を継続してしまうことを避けるため、その旨を依頼したすべての不動産会社に通知しなければいけません。

 ●すべての媒介契約に共通の義務


  媒介契約の終了後2年間は、媒介契約の有効期間中に不動産会社から紹介を受けた購入希望者と、その不動産会社を通さずに売買契約を締結する(これを「直接取引」といいます)ことは禁じられています。

 

  こうすることで、不動産会社への仲介手数料の支払いを避けるため、意図的に媒介契約を終了させてから、不動産会社から紹介を受けた購入希望者と契約するような「不誠実な」対応を防いでいるのです。

 

 (10) 媒介契約の解除


  次の場合には媒介契約を解除することができます。

 ●依頼者と不動産会社のいずれか一方から解除できる場合


  依頼者または不動産会社の一方が、媒介契約に定められた義務を履行しない場合で、義務の履行を相当の期間を定めて催告したにもかかわらず相手方が履行しないときは、もう一方より媒介契約を解除することができます。

 ●依頼者が解除できる場合


   ①不動産会社が、媒介契約に関する重要な事項について、故意または重過失により事実を告げない、あるいは、不実(虚偽)のことを告げた場合

   ②不動産会社が、媒介契約に定められた業務を誠実に遂行しない場合

   ③不動産会社が、宅地建物取引業に関して不正、または著しく不当な行為を行った場合

 

  (11) 反社会勢力の排除

   不動産取引からの「反社会的勢力の排除」を目的に、平成23年6月以降 順次、反社会的勢力排除のための標準モデル条項が導入されています。

   不動産会社との媒介契約書の条項の中に「媒介依頼者及び不動産会社(宅地建物取扱業者)が、暴力団等反社会的勢力ではないこと」などを確約する条項が盛り込まれていることを確認しましょう。
   相手方がこれらに反する行為をした場合は、契約を解除することができます。

 

      不動産ジャパン ホームページより転載

               2015.7.3