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令和3年 路線価 埼玉 2021年7月号
2021.11.18
関東信越国税局は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2021年の
路線価(1月1日時点)を公表しました。
県内の税務署別の最高路線価は9年ぶりに上昇地点がなく、県内の標準宅地
評価額の平均変動率は前年比マイナス0・6%で、8年ぶりに下落へ転じま
した。専門家は、新型コロナウイルスの影響を受けたとみています。
路線価は1平方メートル当たりの土地評価基準額で、土地取引の参考となる
公示地価の8割程度で算出される。
県内の税務署別上位3地点の変動率は、大宮(20年は前年比15・1%増)、
川口(同14・1%増)が横ばい、浦和(同14・3%増)は1・0%の下落
となりました。 15税務署の内訳は、上昇0署(20年8署)、横ばい7署
(同7署)、下落8署(同0署)でした。
大宮と浦和の下落幅の違いについて不動産鑑定士の三田和巳さんは、一般論と
した上で「コロナ禍でも大宮はオフィス空室率が0・3%。空きが出ても既存
テナントの増床で埋まって不動産市場に出ないため賃料が強含みだ」と説明し
ています。大宮駅東口では延べ床面積8万平方メートル以上の大規模再開発が
進み、22年春に開業します。
それでも賃料や地価への下げ圧力になるかは「まだ分からず、(影響を)検討
中」(三田さん)との事です。
駅前の百貨店が2月に閉店した川口については「旧そごうの裏通りは開発が進
んでいる。東京に近くリーズナブルな条件が投資マネーを呼び込んでいる」と
みており、一方浦和は「賃料が下落傾向にあり、大宮、川口とは収益性に差が
ある」としていました。
関東信越国税局が管轄する6県(埼玉、茨城、栃木、群馬、新潟、長野)にあ
る計63税務署の最高路線価をみても、価格が上昇したのは5署のみです。
つくばエクスプレス沿線の土浦署(茨城県)と竜ケ崎署(同)、23年3月に
次世代型路面電車(LRT)が開業予定の宇都宮署(栃木県)などで、20年
の16署から3分の1以下に減っております。
国税庁は、全国の路線価をホームページに掲載しています。
◇県内の税務署別の最高路線価
順位 署 路線名(所在地)
1 大宮 大宮駅西口駅前ロータリー(さいたま市大宮区桜木町2)
路線価(前年) 426.0(426.0) 前年比(%) 0.0
2 川口 駅前産業道路(川口市栄町3)
路線価(前年) 194.0(194.0) 前年比(%) 0.0
3 浦和 浦和駅西口駅前ロータリー(さいたま市浦和区高砂1)
路線価(前年) 190.0(192.0) 前年比(%) ▼0.0
4 西川口 川口駅東口駅前ロータリー(川口市川口1)
路線価(前年) 184.0(184.0) 前年比(%) 0.0
5 川越 川越駅東口駅前広場(川越市脇田町)
路線価(前年) 106.0(108.0) 前年比(%) ▼1.9
6 所沢 所沢プロペ通り(所沢市日吉町)
路線価(前年) 99.0(100.0) 前年比(%) ▼1.0
7 朝霞 志木駅南口ロータリー(新座市東北2)
路線価(前年) 61.0(62.0) 前年比(%) ▼1.6
8 越谷 南越谷駅南口ロータリー(越谷市南越谷1)
路線価(前年) 46.0(47.0) 前年比(%) ▼2.1
9 上尾 上尾駅西口駅前ロータリー(上尾市谷津2)
路線価(前年) 40.0(40.0) 前年比(%) 0.0
10 春日部 春日部駅西口駅前広場(春日部市中央1)
路線価(前年) 36.0(36.0) 前年比(%) 0.0
※路線価は1平方メートル当たりの単価。単位は万円。▼はマイナス