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賃料滞納による解約・明渡の手順 2019年10月号

2020.04.29

賃料滞納を原因とする賃貸借契約の解約及び物件明渡の手順をご紹介致します。
この手順は一般的な手順であり、家賃補償会社も同様の手順を行います。
家賃補償会社の対応例も併せてご紹介します。

 

①賃料滞納に伴い、お知らせや督促状を送付
この時はまだ内容証明ではなく、ポスティング・郵送・お電話等で行います。
ポスティングしたお知らせや督促状はコピー、お電話は掛けられた日時・話
の内容をメモしておくと良いでしょう。

 

家賃補償会社:1~2か月分の滞納の場合は立替払いをします。
       また、家賃保証会社もハガキ等でお支払いの連絡を入れます。

 

②3か月分の滞納
この時期より、配達証明郵送で履歴が残るような通知を行います。
配達証明郵便は郵便局員がポストに投函した日時がわかる郵便方法です。

 

家賃補償会社:3か月分連続して立替た場合翌月分より立替払いを停止します。
       貸主様に実際の負債を作り訴訟準備に入ります。
       お電話や訪問等も開始します。

 

③4か月~6か月分の滞納
この時期より内容証明で賃貸借解除通知を送付します。合わせて弁護士へ相談を
内容証明は『いつ・誰が・誰に・何の内容』を送付したかを郵便局が証明する
送付方法です。ポストには投函せず、受取人本人に手渡し受領させます。
内容は滞納額を期日までに全額の支払いと支払われない場合は支払期日の翌日で
契約を解除する旨になります。

 

このタイミングで調停をする事も可能ですが、法的拘束力が弱く、調停不成立と
なるケースが多いそうです。

 

家賃補償会社:貸主に負債を作り始めながら内容証明を2~3回送付します。
       また弁護士への依頼準備に入ります。
               (契約書等の書類のコピーの提出)  

 

④占有移転禁止の仮処分
当該物件に誰が住んでいるのかを確定させます。
もし、知らない間に転貸を行い別の人間が占有していた場合、その占有者に対し
ても明渡訴訟を行わなければなりません。最悪のケースは明渡訴訟と転貸が繰り
返す事です。そのような事態にならないように仮処分を行い、占有者が誰なのか
を確定させます。そのための裁判を占有移転禁止の仮処分といいます。

 

家賃補償会社:基本的にはこの手続きは行いません。訴訟の中で別の占有者が
       いることが判明した場合は行います。

 

⑤契約解除通知及び明渡通知の送付
6か月以上の滞納があれば概ね契約解除及び明渡の訴訟が出来ます。
ここで重要なのが今までの送付した内容証明を受け取っていない場合や滞納者の
所在不明の場合です。
提訴すると裁判所より訴状が滞納者へ送られます。これを受け取ってもらえない
場合裁判に移行できません。

 

家賃補償会社:弁護士から再度内容証明が送付されます。
      (支払い命令、物件の明渡し、履行されない場合提訴する事等の内容)
       滞納者の所在確認や調査・訴訟手続きを開始します。

 

⑥裁判
ここで初めて賃貸借契約解除及び明渡請求の裁判になります。
概ね裁判は2回程度で終了します。滞納者が裁判に出席している場合は3回以上
法廷に呼ばれる事もあります。1回の裁判は2~3分程度です。

 

家賃補償会社:同様の内容になります。

 

⑦判決及び強制執行手続き
判決により、契約解除及び明渡が確定します。
ここでは物件を明渡す事が確定するだけですので、現状はまだ物件の返却を受け
られません。よって判決文等の書類が交付され次第、強制執行の手続きに入ります。

 

家賃補償会社:同様の内容になります。
         場合によっては法的手続きを省いて残置物処理を行うケースも稀に
                 あります。
      (その際は家賃補償分と残置物処理費用等の清算を行います。)

 

⑧強制執行
裁判官立ち合いによる物件内の荷物の搬出を行います。
この際に荷物の一覧を作成します。この荷物は一旦別の場所へ保管します。

 

家賃補償会社:補佐官、搬出業者、鍵開け業者等の手配を行ってもらえます。
       この時をもって物件の明渡を完了となります。
       家賃補償分と残置物処理費用等の清算を行います。

 

⑨荷物の所有権移転
搬出した荷物には保管期間が設定されており、その期間内に荷物の所有者は取りに
行く必要があります。保管期間が経過後に競売となります。
貸主はこれらの荷物を買い取り初めて処分する事が出来ます。

 

家賃保証会社:補佐官又は搬出業者の倉庫に保管・管理等の斡旋をします。
       ⑧・⑨の内容は補償範囲外となっている事がありますので、貸主様
                  に別途費用が掛かる事があります。